忍者ブログ
(仮)日々の生活(仮)の避難所だけどメインになるかもしれない。 ちなみにプレハブには住んでません。
2024/05 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

無意識に、JAPANの内容をなぞってたのだろうか。

1か月前に買ったJAPANをよみ直して、そう思った。
あんまり自分がここで同じような事を書いてたもんだからびっくりした。

普通なら既に出版されてるものをなぞったりするのは好きじゃないし、
意味がないと思ってるほうなのだけど、見事にやらかしたなあ。

そのくらいJAPANが的確だったという事か。

恐るべし、山崎洋一郎。
PR
仕事で締め切りに追われてます。
やっぱりギリギリにならないと頑張れない体質が治りません。
三つ子の魂百まで、とはよく言いますが、夏休みの宿題の癖社会人まで、
ともいえるのではないでしょうか。

いちかわさんが北国某所に現れると聞きまして、楽しみにしてたのだけど
どうやら状況は芳しくないようで、まぁ大切なお金と時間を使うのだから
乗り気でないのならまた今度、という選択肢も有ると思いますよ。
大学卒業後、1年に1度は再会できていたので、なんだか毎年のように会える
気がしてたけど、よう考えたら毎年北海道に来るって大変な労力よね。
(彼女は飛行機に乗れません。基本的には。)

わたしも今回は、私的な用事と、仕事の都合が重なって有給が取れず、
日中観光に同行する事が出来ないので全く申し訳ないなあと思うのだ。
ま、夜は付き合いますがね。


そういえば大学時代を省みる時、友達同士の会食や宴会は割合好きである
はずなのに、全員集合で遊んだ記憶が少ないのはどうしてだろうと思って
いたけれども今回の件で思い出した。
学生時代から予定が合わない人達だったんだった。
悲しいことでも腹立たしい事でもないのだけれど、事実、そうなのだった。
わたしなどはヒマ人なので、いつも不思議だったのだ。
Gyaoで、吉井さんの「シュレッダー」のPVをフル放送してまして、
思い出したように観てみたのだけど、わたしの視聴後の感想は
「・・・マジックおじさんだぁ」です。
決してコメディチックなPVではないのがポイントです。
なんかカッコよさげに目元ギラギラさせてるんだけどね、最終的には
マジックおじさん。
おじさん生き物苦手なはずなのに、可愛い茶トラ?のにゃんこ撫でてて
マジックおじさんとにゃんこの可愛さが際立つPVだと思いました。

んなこたぁどうでもよくて、最近は漫画をジャケ買いするのが自分の中で
流行ってる、というか腕を磨いてまして、作者はおろか、こんな出版社
あったんだーみたいなレベルで知らない漫画を買うのが楽しいです。


この、「革命家の午後」という漫画もそう云う勢いで買った作品です。
革命家の午後

松本次郎
太田出版

このアイテムの詳細を見る


太田出版は、あれか、クイックジャパンか。最近読んだ事ないな。
松本次郎という人が、「マンガ・エロティクスF」という媒体に
発表していた読み切り集、らしい。というのを後から知りました。
ちなみにこのマンガ・エロティクスFのスーパーバイザーである
山本直樹という人が、先輩にあたることに驚き。
多分一番良い時代の我が母校を経験したんだろうなあ・・・。

エロティクス、というくらいなので、成人向けの作品が多い様ですが、
こればっかりは中味をみた事が無いので分かりません。
直接的な性描写の無い作品もある、とwiki先生がおっしゃってるので
そうなのでしょう。

この「革命家の午後」も性描写は出てきますが、徒にエロを押し出している、
あるいはエロが主題の類の本ではないので、安心しました。

一話完結の作品が5話入りで、あとがきつき。あとがきは解説になってます。

表題作をはじめ、5話それぞれの舞台設定が面白くて、買って成功したなー
と思うに至っております。

吸血鬼の末裔である事を単なる身体的な特性、或いは個性として現代を
平凡に生きようとする顛末を描いた「竹山君の日常」と、
昔々、いつかのどこかでの合戦に負け、生き残った2人の足軽が
戦で父母を無くした少女を拾い、彼女を売り飛ばして、逃げ延びようとする
「雑兵敗走記」の2話は舞台が日本、それ以外の3話は何処の国だかすら
はっきりしないのだけど、その不思議な感じが良い。

「革命家の午後」と題された2作品は、続き物ではないけれど、どちらの
話にもテロリストが出てくる割には主役ではないってのがポイント。
「砂漠の魔女」は、何かから逃げてる男と砂漠に住む狂人の魔女との話。
これも設定が面白いなーってのと、ありがちではあるけどどんでん返しが
あって、大人の寓話といった味わい。

あと、この人の描く人物は、微妙に髪型が変で、それも良い。

もしも本屋さんで見かける事があったら、おすすめです。
他にも、これは知らない作家ではないけど今更諸星大二郎が好きになって
色々と買ったので気が向いたら書きます。
本日発売、吉井和哉のニューアルバム。

ファンなので(と、この部分を太字にしようと思って止めた。何故思った?)
昨日入手いたしまして、まともに聞いたのは今日なのだけど。

今回のアルバムに関しては前作「39108」の時より、先行シングルを
切りまくってた割りに、どんな全体像になるんだかさっぱり見えてこない
感もあったので、ご本人が「このアルバムはヤバい」と言うたび、逆に
えぇーまた変な新境地とかに行くのー?という不安があったのも事実だ。


だけど。ビジネスウーマンなので(プッ)結論から先に言うね。
吉井さん、やっぱあんたすげーよ、という出来です。
こんな良いもん、DVDつきで3,800円で買えるのは嬉しいねぇ。
ロックが好きじゃない人にも聞きやすいだろうし、聞いてみてもらいたいな。

YOSHIILOVINSONに比べたら吉井和哉の「39108」はそりゃもう質感が
全然違った。「突き抜けよう感」があった。
でもそれは「突き抜けよう感」であって「突き抜け感」ではなかった、と
リリース当時も思ったし今も思う。
大気圏を抜けようとして、ロケットの周りがすげー高温になってる感じ。
頑張らないと、踏ん張らないと燃え尽きちゃうぜっていう危なっかしさ。
前作がそういうアルバムだったとすると、今作はもうバーンと宇宙に
出ちゃってる感じ。
ロックだとかロックじゃないとか、ロヴィンソンだとかイエローモンキー
だとかそういうのから解放されている。
彼の境遇を追ってるからそう云う風に思うのかもしれないけど。

なんだかコンセプトアルバムみたいな出来だとも思った。
タイトルに「森」が入ってて、なんか本当に森に入って出て行くという
コンセプトで作ったアルバムなんじゃねえかと思うほど。
しっとりと湿った質感のアルバムです。
あ、しっとりとした歌が入っているというわけではありません。
じっとりと暗いというわけでもないです。有機的な印象を受けます。
って言い方おかしいかな。


さて、中味の感想を少し。
さらっとエロです。エロを感じます。多分カッコいい言い方だとセクシー
とかって言うんだと思います。色気があるとも言うのかもしれません。
でもやっぱり、若いときの色気とは全然違うと思えるのです。大人です。
大人のさらっとした瞬間に感じる色気があります。香ってきます。

と言うわけで、今回は歌詞も吉井節がうなってます。
「39108」も相当いいアルバムだ、と思ったけど、なんとなーく歌詞の
つくりがいつもより雑だなあ、という感じがあったのが唯一不満で。
今回はその辺ばっちり解消されてるみたいに見受けられる。

この人の魅力は独特の言い回しと、それががっちり音に合ってるというか
日本語なのに旋律を崩さない譜割を実現してるところにあると、常々思う。
故に響き優先の言葉がガンガン出てきて、普通なら無意味な羅列になりそう
なもんなのだけど、ちょっとエロかったり、おセンチだったり、深いなー
と思ったり。
その辺は
「オレの詩には意味がない/だけど君に伝われ」(「Pain」より)
という意気込みありきのミラクルなんだろうか。


音に関しては、もういう事が見当たらない。
それぞれの音の抜けは相変わらず良いし、厚すぎず薄すぎず、
音がこんがらがってないねぇーと言う感じ。
曲も、アルバム全体の印象と同じく、最早これはロックアルバムという
範疇に収まらないのかも。

ロックの妖精をイメージしたという「ワセドン3」はちょっとした童謡とか
民謡のようでもある。歌いだしも強烈だ。
(「みんなに死んだらいいなと思われる」って凄くね?)
クリスマスソングらしい「バッカ」も、フォーク?ポップス?一直線つーか、
例えば平川地一丁目(だったよね)の人とかがこれ歌ってても違和感全然
ねぇなって思えるし、アルバム最後の曲「雨雲」に関しては、普段狭ーい
範囲の音楽しか聞かないわたしにとっては、フュージョンだって言われても
納得できるっていうか、脳内の音楽ジャンルの棚があるとしたら間違いなく
ロックの棚には収納しない。フュージョンに収納するw


それと、先行シングルである「WINNER」と「Shine and Eternity」は
従来の吉井和哉好きの間では随分評価が割れてたように思うし、わたしも
いい曲だとは思うけど、映画のタイアップが付いた「WINNER」は兎も角、
何故「Shine and Eternity」みたいな曲をあのタイミングでリリース
すんのか不思議だったのだけど、今回のアルバムの曲順にはめてみると、
これ以上ないっつーくらい素晴らしい流れを作り出す2曲である事が分かった。
このアルバム以外行き場が無いとすら思えるくらい。
テレビの画面を虫眼鏡で拡大してみると、赤とか緑とかの四角い光でしか
なくて、ピンとこないけど、テレビ画面全体でみてみると、オブジェクトが
はっきり見えるというか。
そのくらい、シングルとして聴くのとアルバムの流れを踏まえて聴くのでは
印象が違って面白いなあと思った。



全く捨て曲なしだし、分かり易い曲もマニアックな曲もどっちも入ってるし
あーもうお得。最近の吉井和哉ったらお得感が凄いわ。

最後に、毎回恒例の涙腺刺激曲選定、今回はベタ過ぎて発表するのも恥ずか
しいですが、やはり「バッカ」が外せないと思いました。
が、ご本人が「ライブでは滅多にやらない」と宣言してるので、生で聴く
事は叶いそうにありませーん、残念だなぁ。

あー早く武道館で観たい(多分豆粒ぐらいにしか見えないけど)。
また、寝込みました。
先週は2日しかまともに働けませんでした。

高熱・お腹ゆるゆる・頭痛のジェットストリームアタックです。
実はまだ、回復し切っていないのですが、微熱に慣れてきてしまったので
今日から職場復帰してみました。

ウィルス性の腸炎らしいです。
なんか、特効薬とかはないのでウィルスが体外に排出されるまで頑張れ、
と優しい女医さんに言われて、はいはい、と頷いたまではよいのですが
その決意は2日でくじけました。来る日も来る日も39度越えをマークする
体温、その影響で目玉が飛び出そうな頭痛がするし、腸が2~30センチしか
ねぇんじゃねぇか、と疑いたくなるほどトイレが近い。

貧血起したのなんて何年ぶりだろうか。ばったりと倒れ、そのまま30分ほど
起き上がれずに、屍と成り果てました。



多分、今年の夏はほぼ土日を様々な予定で埋め尽くし、ゆっくり休まずに
遊び(故に更新が疎かに)暴飲暴食を繰り返していたので、本人の自覚は
無くとも、身体は確実に疲れていたのだと思います。

まるで子どものような倒れ方ですが、毎日ストレスも感じず過ごしていると
まぁこんなもんです。余りにも自分の身体を過信していました。
もうべらぼうに若いわけじゃないので身体は大事にしたいな、と思いました。

来週水曜日には吉井和哉通算4枚目のアルバムも出ることだし、
コンディションを整えてがっつり聞き込み、武道館に備えたいです。

あ、ちなみに今回の病欠で夏休みを使い切ってしまいました(涙)
今日は墓参りに行ってきました。
だからと言う訳ではないですが、今仏壇のまん前でこれを書いてます。
つまり、この部屋が家の中で一番涼しいのだ。罰当たりか。

お盆には5連休を頂きましたが、後残すところ2日しかない。
勿論何をするつもりもなく、だらーっと一日中過ごすつもりだ。
あんまり書きたくないけれど、やっぱりどうしても暑い、ので
そう云う日はかえって事務所で仕事してた方が、涼しくていいや、
と思ったり思わなかったり。

昨日は函館市内の恵山と言うところへいき、道の駅の隣にキャンプ
出来るところがあるので、バーベキュー大会を開催した。

北海道にしては猛烈に暑いといっていい日だったと思うが、
夏は暑いもんだから、と各々自分を納得させて臨んだ。

わたしは前日にユニクロで購入したパイル地のマリンボーダー
カプリパンツに500円くらいのポロシャツ、と家に居るのかと
思うくらいのリラックススタイル。
友人二人は、ビキニの上にタンクトップとショートパンツで
可愛らしさをアピール。
その時点で明らかに「おっかさんスタイル」であるわたしは
これ以上ないというくらい浮いていた。
前日の打ち合わせの時点では、暑いだろうからリラックスできる
格好で、との事だったのに。確かに海は目の前だったけどさ。

そんなちょっとした友人の裏切りを感じつつ、やるならとことん、
と言うタイプのわたしは持参したタオルを頭から被り、ほっかむりして
陽射しをさえぎる作戦決行。勿論日焼け止めも塗っていたけど、念を入れ。

肝心のバーベキューはといえば大変美味しく、楽しかったのだけど
火をおこすのもわたし一人、「暑い」という理由で他二人が海に
遊びに行ってしまい、火の番するのもわたし一人、挙句の果てには
氷が切れたので、向かいにあるローソンまで氷を買いに行こう、と
誘ったら(店内はクーラーも効いて涼しいので、「暑い」を連発する
友人に気を利かせたつもり)
「ずっと一人で座ってたんだから、行って(氷買って)きていいよ」
と、全く「から」という接続語の使い方を誤った様な理由により使いぱしり
も一人、という孤独バーベキュー。

ここで氷買いに行ったら負けだな、と思い最後まで使いぱしりになるのは
回避したのだけど、楽しい割には何か納得いかない思いが残ったのも事実。

結局は途中参加の一人が来た時点で、わたしに氷買ってこいと仰った奴に
氷買ってこいや、と逆に頼む事に成功、しかしながら何故かわたし以外の
三人でローソンに行き、またしても一人火の番という、あれ?わたしったら
もしかして嫌われてる?な展開にうんざりしてしまった。

トータルで言うと恐らく1時間以上は炎天下何をする事もなくぼーっと
座っていたと思う。
海辺は風が強く、汗が出ても直ぐに乾いてしまうのと、北海道特有の
湿気の無い暑さと、ほっかむりのお陰で、全く辛くは無かったのだけど
こんな事なら読みかけの文庫本でも持ってくりゃ良かったと少し後悔した。

しかし、やる事が無かったお陰で日焼け止めもこまめに塗りなおし、
腕はほんのりと日焼け程度で済み、顔・首・脚に至っては全く白いまま
で帰ってくる事が出来た。

それに、1週間ほど天気が愚図つき続けた後の雲ひとつ無い快晴の下、
一人海を見ながら物思いに耽る事も無く、ただぼーっとできるというのが
何より時間を贅沢に使っている感じがして、誰かと話す煩わしさも無く
大変快適だった。

なんか、思い返してみると随分ぞんざいに扱われたもんだと少しばかり
怒りもふつふつ湧いてくるけど、思い出して怒るなんてバカみたいじゃね?
だからやめることにする。

ほんとに、何にもしない贅沢を味わった一日だった。

ただ如何ともし難く主張したいのは、細かすぎる割り勘(例えば250円を
4人で割るとか)・ファストフードで済ます夕食・他人の恋愛事情を
仔細に聞きたがる奴、は好きじゃないという事です。以上!
台風が来るそうなので遠出を止めにした。

しかし現在午前11時過ぎの時点では、雨はそれなりに降るも
暴雨風雨とは程遠い。やはり北海道には台風上陸不能なのか?
それともこれから来るんだろうか。

何れにしろ、遠出を取りやめるほどの勢いは無かったようだ。
わたしの大義名分返してよ!

こんな雨の日には読書としゃれ込みたいところ。
先月は何故か旅行がとても多い月だったので、たくさん本を買いました。

その中でも、紀伊国屋書店で衝動買いして正解だった本が此方。


芥川龍之介短篇集
芥川龍之介短篇集
芥川龍之介(著),ジェイ・ルービン(編纂),畔柳和代(翻訳)

新潮社 (2007/06)

このアイテムの詳細を見る




外国人の方が編んだ芥川龍之介傑作集とでもいうべきか。
本編のほうは、わたしが紹介すべき余白が残されていないほど語り尽くされ
そして愛読されてきたまさしく名作に相応しい出来の短篇。
しかしながら、余り有名でない作品が入っていたり、逆によく知られた
作品が入って居なかったり。

これにはちゃんと理由があって、海外の出版に際して編まれたものと内容が
全く一緒だから。つまり如何いう事なの?というのをちょっと長いけど
編者のジェイ・ルービンが語っているところがあるので引用。
(改行は引用者)

芥川作品を読み、その中から私にとって最高と思えるもの、そして代表作と思えるものを今回の翻訳のために選んだ。わかりやすく―普遍的で―一本立ちできる作品を選ぶことにした。
昔から芥川作品の中で最も「重要」とされてきたものをそのまま入れることは避けたが、定評のある作品にはやはり見事なものが多く、結局収録することにした。
個人的に面白いと思えなかった作品は外し、日本の一般読者知らない主題や人物を巡る芥川の独創的な解釈が主眼となる作品も外した。
(中略)
ペンギン・クラシックスによって代表される「世界文学」に加わるにふさわしい作家として芥川を紹介するにあたり、私は以上のようにして、日本の読者にしか完全に理解できない側面は取り除いたわけである。本書に収録した作品は芥川の最高の作品だと思う。
同時に、日本の読者だけに向けられた作品は、芥川の最高の作品ではないと考える。

「芥川龍之介短篇集」ジェイ・ルービン編 村上春樹序 2007 P12-13より


という事で、ごくごく平たく言うと、予備知識が豊富にあるわけではない
方にも面白く読める作品群、という事らしい。

編者は日本以外での出版を据えてこの短篇集を編んだ訳だけど、これは
案外現代に生きる(そしてそれほど予備知識の無い)日本人にも大変
ありがたい編集のされ方なのではないかと思った。

芥川作品に限らず、極端な話最近の作家が書いた作品でさえも、希に
前提がさっぱり理解できず、故に面白さが分からないという事がしばしば
起こりうる。(これはわたし自身の無知の所為もありますが。)

その「分からなさ」は、例えば作中の時代に自分が生まれていなかったり
知識不足だったり、色々な物に起因するのだと思う。
でも、よっぽどの専門書で無い限り、小説を読むに当たって必要な程度の
予備知識などはそれほど難しくなく手に入るものなのだから、
ほんの僅かなつまづきを理由に、素晴らしい作品を原語で読める喜びを
易々と捨ててしまうのは勿体無いと思うのだ。

そう云った意味で優しい短篇集だというのがこの本を買ってよかったと
思える理由の一つ。


もう一つは、そうした眼で選ばれた作品が、作中の舞台の時代別に
並べられているという事。
つまり、江戸以前の話、江戸時代の話、近代の話、そして芥川自身の話、
と言った風に。

これらは発表された順に直すとバラバラなのだけど、平安時代末期を舞台に
羅生門でババアのみぐるみ剥いだ話の後に、藪での殺人を巡って関係者と
目撃者の証言がちぐはぐだっつー話を読んで、更には地獄の様を写し取った
屏風を書いた男の話を読むと、なんだかまとまりがあって頭も疲れないし
個々の作品にまた別の味わいが出るでしょうという事らしい。

これ全く予期していない嬉しいポイントで、時代があっちゃこっちゃ
飛ばないのがこんなに疲れないとは!という新しい発見をした気持ち。



と、色々挙げ連なったけれども、何よりのご馳走は、芥川のよどみの無い
筆致、これに尽きる。
流れるように、とはまさにこのことなのだろうかと。
こういう美しい文章の(美しいものばかりではないけれど)原典を読める
という歓びは何にも変えがたく、日本人に生まれてよかったとつくづく
感じるに値すると思う。


前菜・メインディッシュ・デザートまで網羅されている短篇集なので
見つけたら買いです。1,600円と高くないのもまた魅力。
[2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]

<<前のページ 次のページ>>
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア

コトノハ更新状況


Twitter


follow undefined at http://twitter.com

ブログペット

最新コメント
[08/25 BlogPetのもふ]
[06/14 BlogPetのもふ]
[04/26 かすみち]
[04/26 ノエ]
[03/08 BlogPetのもふ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
かすみち
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]